(2)潜在客へのアプローチ法

(2)潜在客へのアプローチ法

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「会社の売上を上げる」


①潜在客に手を挙げさせる

新規のお客様を集めるには、まずあなたのことに関して知ってもらう必要があります。この段階にいるお客様を『潜在客』と言います。

多くの会社では、いきなりこの潜在客に対して売込みを掛けようと広告を出したり、セールスをします。

例えて言うなら、街ですれ違ったきれいな女性に「僕と結婚してください。僕の身長は175cmで東京に住んでいて、年収は1000万・・・」という感じで声を掛けるのと同じことです。

この本を読んでいるあなたがそういうことをされることはないと思います。しかし、実際に商品を広告する、セールスしようとすると、ほとんどの経営者がいきなり自分の商品の良さを謳ったり、会社のPRをしようとします。

ただ残念ながら、それでは誰も耳を傾けてはくれません。人は自分の興味のないものを見たいと思うこともありませんし、聞きたいとも思わないのです。

では、いったいどうすれば良いのでしょうか?

②潜在客に対して最初にすること 

あなたが、まず最初にすることは潜在客に「あなたの商品に興味があります」と手を挙げさすこと。つまりそれを目的とした広告宣伝をすることです。広告で商品を売ろうとするのではありません。

とても大切なことなので、もう一回言います。

広告宣伝の目的は商品を売ることではなく、商品に興味のあるお客様を集めること

つまり、あなたの商品を潜在的に必要としているお客様に「興味がある!」と手を挙げるという行動をさせるのです。

では、どのようにして「興味がある!」と手を挙げるという行動をさせることができるのか?ということですが、ここにダイレクト・レスポンス・マーケティングの本質があるのです。

③売れる広告と売れない広告

世の中には様々な広告があります。テレビコマーシャル、インターネットのバナー広告、チラシ、ファックスDM・・・それらを大きく分けると2種類に分類することができます。

それはお客様獲得型の『売れる広告』とお客様を放置プレイする『売れない広告』です。

ここで勘違いしないでいただきたいのは、『売れる広告』というのは広告だけで商品が売れるという意味ではありません。売れる仕組み、つまり設計図が出来上がっている広告という意味です。売れる広告とは、「レスポンス広告」というもので、お客様の反応を得ることを目的とした広告です。

それに対して『売れない広告』というのは、この売れる仕組みがありません。「イメージ広告」というもので、主に商品の写真や特徴、会社概要などを載せているだけの広告です。

大企業がやっているテレビコマーシャル、新聞広告のほとんどはこれに当たります。単に広告と聞くと、このイメージ広告を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

中小企業でもこれを真似してしまうことがありますが、イメージ広告ではお客様の反応をダイレクトに得ることは出来ませんので、広告を出したは良いが直接的に売上にはつながらずに「広告費をドブに捨ててしまった」と青ざめる経営者が多いのは、そうした理由からです。

潜在客のメリットを考える

レスポンス広告がどのようなものかについては、お分かりいただけたと思います。

ではどのような広告を作ればよいのか?

という疑問が出てくると思います。ひと言でいうと「お客様の視点に立った広告」を作るということです。

お客様は売込みばかりの広告は、ほとんど見ません。人間は基本的に売り込みをされるのは嫌いです。お客様は、自分にメリットがあるかどうか?という視点で広告を見ています。

「なにか良い情報はないかな~~」とう視点です。

この視点で見ているお客様に対して『オファー』を提示します。オファーとは日本語で提案という意味ですが、簡単に言うと「無料○○」などのことです。無料クーポン、お試し価格といったものを、よく目にするはずです。

ここで注意しておくことは、このオファーを「無料なら何でも良いや」という考えだと、お客様から見てまったく魅力のないオファーになってしまいます。

「え??こんなのもらって大丈夫なの?」とお客様が気絶しそうなオファーにすると爆発的な集客を生み出します。

例えば、私の住んでいる街に人気のあるケーキ屋さんがあります。このケーキ屋さんの人気メニューのひとつがシュークリーム。

このお店では定期的に期間限定で「シュークリームを買うと、もう1個シュークリームプレゼント!」というキャンペーンをしています。

良く考えてみるとこれは「シュークリーム半額!」と同じことです。しかし、半額というよりも、「1個買ったらもう1個プレゼント!」の方が、お客様は得した気分になります。

このお店でどれぐらいの集客があるかは正確には分かりませんが、かなりの集客があるはずです。

高額商品でのオファー

飲食店のような比較的に価格の安い商品や、整体のような気軽に体験してもらえるような業種だとオファーに、無料○○や割引クーポンというものが使えます。

では、高額商品である住宅販売や車販売、コンサルティングのような業種ではどうするか?

「無料相談」というオファーを使っている会社もあります。ただし、ここで問題になるのが「お客様が無料相談へ行く」という行動を取らなければいけないということです。お客様は基本的にわがままで面倒くさいことはしたくないということを理解してあげなければいけません。

ですので、高額商品の場合は、ターゲットとなるお客様が「どんなことに不安を感じているのか?」ということを解決してあげるということを考えます。

例えば、住宅を建てようとか、新車を買おうと思っている人が、まず何をするのかを考えてみます。ほとんどの人は、その手の情報誌を買ったり、インターネットで情報を集めようとします。しかし、情報が多すぎて、いったい何を信じたら良いのか分からなくなってしまいます。

そこで情報を整理するためのツール『小冊子』を使うのです。

「小冊子ってなにそれ?」と思うかもしれませんが、小冊子というのは、情報を簡単なレポートにまとめたものです。

以下に、小冊子の例を掲載しています。

この小冊子を使って、お客様が混乱している情報を整理してあげれば、あなたはお客様から見ると、正しいことを教えてくれる先生という存在になることができます。

そして、このオファーに申し込んできた人をリスト化しておくと「あなたの商品に興味があります」と手を挙げた見込客のリストが出来上がり、ということになるのです。

お客様の感情のトリガーを引く

オファーが強力にお客様を引き寄せることは、お分かりいただけたと思います。そして、このオファーに呼び込むために必要なのが、お客様の感情を刺激するトリガーとなる言葉を見つけることです。言葉というのは感情を動かすことができます。

例えば、「期間限定」とか「先着10名様に限り…」などの限定性を打ち出すと「今すぐに行動しないと損だ」とお客様の焦燥感をあおります。

もしくは、今の現状がやばい状態であるということに気付かせるというトリガーもあります。あるスキンケア商品の広告には「50代、60代・・何だか肌が変わってきた気がする。それは加齢とともに現れるエイジングトラブル、、、」といった感じです。

つまり潜在客が持っている隠れたニーズを問題提起して掘り起こしていくのです。

他にも有名なキャッチフレーズで住宅販売業界にセンセーションを起こしたチラシがあります。それは、

 「まだ家は建てるな!」

というキャッチフレーズです。家を建てようかと考えているお客様にとっては、「え?なぜ家を建ててはいけないの?なにか今、問題があるの?」と好奇心をかき立てられます。

このようにお客様の感情のトリガーを引くことができれば、商品は同じものでも言葉の違いだけで、集客に大きな差が出てきます。

無料クーポン、小冊子などを活用して販売する広告を2ステップ広告と言います。物や情報があふれ、商品が売れにくくなっている現代において非常に効果の高い広告手法なのです。

お客様の登る階段を作っておく

そしてここで、とても単純なことですが忘れてはいけない重要なポイントがあります。

それは、

「いったい初めに何を売って、次に何を売るのか?」

ということです。

先ほどの「シュークリームもう1個プレゼント」のオファーを紹介しました。集客をしたものの、そのお客様に次に何も売らなければ、売上は単発で終わってしまいます。目先の集客にばかり気を取られてしまうと、「次に何を売るのか?」というポイントが疎かになってしまいます。

集客をしたお客様が、あなたが買って欲しい商品にたどり着くための階段、設計図が必要なのです。

このあと、どのような設計図を立てるのかをステップを踏んでお話していきます。


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「見込み客へのアプローチ法」