(2)売上とお客の関係性

(2)売上とお客の関係性

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「ダイレクト・レスポンス・マーケティングとは?」


①売上を分解してみる

アメリカのトップ経営コンサルタントのジェイ・エイブラハムが、会社が売上を上げるための3つのシンプルな方法を教えています。

そもそも売上という大きなかたまりを小さくシンプルに分けて考えると、下記のような方程式で表すことができます。

売上 = 顧客数 × 購入単価 ×購入頻度

そして、ジェイ・エイブラハムのシンプルな売上を上げる方法とは

1.顧客数を増やす
2.購入単価を上げる
3.購入頻度をやす

というものです。

売上を上げるというと、つい“1”の顧客数を増やすことに目がいってしまう経営者も少なくありません。しかし、顧客数を増やすということは容易なことではありません。

例えば、店舗経営をしているとして、1ヶ月の来客数が100人だとしたら、これを2倍の200人にするのは並大抵の営業努力では不可能です。

しかしながら、各要素を少しずつなら上げるのは比較的簡単です。次のページで簡潔にシミュレーションをしてみましょう。

下図からも分かるとおり、売上を2倍にしたければ、 3つすべての要素を30%ずつ上げれば良いのです。

顧客数      購入単価      購入頻度       売上

各30%アップ

このように売上を構成している要素を分解してみると売上を上げるための戦略を立てやすくなります。

1.顧客数を増やす     →新規客を増やす戦略
2.購入単価を上げる →既存客へ高額商品を売る戦略
3.購入頻度を増やす →既存客を固定客へする戦略

と、このように考えることができます。

つまり、各要素を上げるために取るべき戦略は異なっているということです。多くの経営者は、この点を理解していないために無駄な営業戦略を立ててしまい結局は失敗してしまうのです。

②お客様がどのように変遷していくのか

まずは自分の商品を買ってくれるお客様の流れを考えておく必要があります。下記の図は私が経験上で得たお客様の成長を図にしたものです。すべての業種で当てはまるものではありませんが、参考にはなるはずです。

お客様の属性を理解する

潜在客
あなたの商品を潜在的に必要としているが、あなたのことを知らないお客様。

そのうち見込客
 あなたのことを知っており、あなたの商品を潜在的に必要としているが、今すぐには欲しいと思っていないお客様。

今すぐ見込客
 あなたのことを知っており、あなたの商品を潜在的に必要としており、今すぐに欲しいと思っているお客様。

既存客
 すでにあなたから一度、商品を購入しているお客様。

固定客
 すでにあなたから数回以上、商品を購入しているお客様。リピーター。

信者客
 すでにあなたから数回以上、商品を購入しており、あなたの商品を気に入っている熱烈なファン客。この客層から紹介が生まれやすい。

お客様の分類に関しては他にもありますが、ここでは上記の6つに分類します。そして、ここでの重要なポイントは、それぞれのステージのお客様の心理は違うということです。

あなたがそれぞれのお客様にアプローチをするとき、それぞれのお客様の心理に合った手法を取らなくてはいけません。

④各ステージのお客様へのアプローチ法

例えば、商品の『品質を上げる』というものは、どこの段階のお客のアプローチに有効なのか?ということを考えてみましょう。

あなたの商品の品質を良いと感じるためには何が必要なのか?ということで考えれば分かります。商品の品質の良さを感じるためには、その商品を使ってみないと分かりません。

ですので、商品の品質を上げるという戦略は既存客から先のお客に有効だということが分かります。逆の視点で見ると、新規のお客を集めるということには効果が薄いということです。

ここで「いや、そんなことはない。品質の良さを新規のお客に分かってもらえば良いじゃないか!」ということを思う人もいます。

しかし、それは違います。品質の良さを分かってもらうためには、別のスキルが必要となります。

それは、その品質の良さをお客に伝えるスキルです。あなたのことをまったく知らないお客に対して品質の良さを伝えるということのはかなり高いスキルが要求されます。

しかも品質の良い商品というものは、今の日本では当たり前です。例えば、普通に営業している飲食店で、そこそこ美味しい料理が出てくるというのは当たり前です。逆に不味いお店を探すほうが難しいぐらいです。

そんな中で会社の経営者が「うちの商品は、他の商品より優れている」と言ったところで、それがお客側がのどから手が出るほど欲しいと思わせるのは至難の業なのです。


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「ダイレクト・レスポンス・マーケティングのシステム」